よし。 渡河を開始しろ。[サクソー川の雄大な流れを跨ぐ"橋"が、ついに完成する。葦束の浮力で支えられている橋は、流れに撓みながらも、互いをしっかりと繋ぐ縄と川底に打たれた長い杭の力で、流されることもなく彼我の岸を繋いでいた。盟主の号令で、手筈通りに渡河が開始される。始めに渡るのは、大きな木の板を盾として運ぶ大盾隊だった。最初の1人がおそるおそる橋に足を掛け、一歩を踏み出す。完全に橋の上に立ってもほとんど沈まない橋の出来栄えに、自然と歓声が上がった。]