……莉紗を死なせたのは僕です。
本当であれば、彼女が死なない道を選ぶこともできたのです。
だから、僕がやらなきゃいけない。
[今更こうやって告白したところで、過去の過ちは消せない。
けれど、莉紗が死ななかった世界を作れるのなら。
自分は、それにしがみついてみようと思った。]
過去へ戻って、莉紗の死の運命を捻じ曲げる。
けれど、それには相応の代償が必要なんです。
術者と入れ違いに、命を落とした誰かを現世に召喚する。
それが、僕の願いであり、恩恵です。
[蘇生、あるいは運命の転換。
大きな代償を伴うことは、自身の恩恵を知った際に思い当たった。
他の誰かに叶えさせるわけには、いかない。]