― オプティモ ―
[ ところで茶菓に供されていたのは、今まで食べたことのない焼き菓子だった ]
これは?シメオンの置いて行ったレシピか何かか?
[ 問うと、そうではなく、カステラに使われた材料を元に、料理番が試行錯誤の末に、考え出したもので、元々はカステラの失敗作だという。どうにかまともな菓子と呼べる味の物が出来たので、茶菓子にしたらしい ]
そうか...よし、これを少し多目に焼いて、包め。
[ 糧食にでもするのか?と問いかけた家令に、男はにっこりと笑いかけた ]
いや、アレイゼル卿への土産だ。お待たせしているようだからな。