[そして、アレクシスの繭へと近づく。
外傷もなく、どうして死んだのか医学に通じない自分には分からなかったが……一点、その首に黒い痣。しかもアリーセと同じものがあるのに気づいた。
倒れた拍子にでも乱れたのか、彼の髪の毛を整えて。
目を閉じて、手を合わせる。]
不可能なことは、……
ないのだものね。
[『Nothing is impossible, the word itself says "I'm possible"』
――不可能という単語でさえ、私は出来ると言っている
そういった"先生"の顔と、目の前で眠る男>>3:350の顔が重なってみえる。
自分なりの解釈を告げるならば、要は思考を止めるなということだろう。
可能性も、止まった時点で不可能になるのだから。
生きている間は、私に出来る事をやる。
もう一度目を閉じて、そう念じてから……そのコクーンの扉を閉めた。
重なる二つの模様……。
ただの偶然か?
昨日の朝、彼に会ったとき、当然その痣はなかったはずだが……。]