― 湖上庭園 ―[王宮内であれこれと話が進んでいる最中。私は事態の把握もしないままに休息を続けていた]───ん?[ふと、楽器の音が聞こえた気がして視線を巡らせると、杖を突いた人物が近付いてくるのが見える。ただし、その顔は琵琶の形をしていた]中途半端に人型……だな。[各務さんは完全なる人型だったが、大体の付喪神はこんな形なのかもしれないな。そんなことを思っていると、琵琶の付喪神は庭園の中央に座り込み、自分の顔を弾き始めた。琵琶の音が緩やかに広がっていく]