[アルビンの食えない巧みな言い回し。
苦悩や驚愕に僅かに表情を揺らしてみせながら、思う。
――状況が分かりやすくなってきた。
やはり、世馴れた彼は頼りになる。
先程は昼の顔を装うのも忘れて緊張したが。
獣による血は流れた。
人の手によって流させるには、どうしようか。
妥協しやすい点をちらつかせる事で、苦難を自ら選ばせるのが望ましいが。自分には難しいから、あとは流れに任せるほかない。
ただ言葉じりに少しずつ、
少女と幼馴染みを天秤にかけずに済む選択肢をちらつかせるだけ。
タイミングを見て、そっと言葉を差し込んでいく]