『貴方の喜ぶオモチャを用意したから。楽しみに待っているのよ
カサンドラ=レフトオーキッド』
[命令書の裏の私信の意図がわからずに混乱するが。
一緒に送られてきたケースの中から、自分のサイズのあう公国軍服とタイ、そして……一丁のアンティークのようなピストルが出てきて、目を見開いた。
平和の訪れを願う『鐘』と、『女神』がグリップに描かれた銃。
レフトオーキッド工房で、本来ならば太子の誕生日祝いに献上されるものだった――父の最期の作品。
ジャンにしてやられる日まで肌身離さず持ち歩いていたのに、一緒に盗られた唯一の財産――]
おかえり、
[愛しげにグリップから銃口を撫でた]