― 回想 ―
[ それはメイン・サロンへの案内を頼んで
カレルと歩いているときのことだったか。
お互いに兄を亡くしているのだと
相手の口ぶりから受け取った。>>0:260
褐色に肌が焼けるほど強い日差しの差す星。
…覚えはあったけれど、まさか、と思った。 ]
[ あの双子の片割れが
数年の時を経て此処にいることや
兄が死んだという言葉が指している意味。
…それらを深くは考えたくなかったから。 ]
兄は、僕と違って温かくて優しい人だったよ。
[ 兄が死んだという話をしてまで
深く踏み込んで話をすることを避けようとした。 ]