可愛らしい、ですか?
ありがとうございます。
[きっと社交辞令だろう、独特の訛りが入った言葉を話す男性に微笑んでお礼を返す>>76。]
え、やっぱり違うんですか……?
[違うと否定され、微笑みはまた困惑したものに変わる。ならば父の言ったことは嘘ということだ。
決して敏くないユーリエは、どうしてかと困惑することしかできない。]
お、お見合い!? しかもあの人との……!
[散々母や姉からあの人について教えられてきたので、ユーリエは悪いイメージしか持っていなかった。
イメージだけで決めつけるのは良くないだろうが、嫌なものは嫌なのである。]
回避できる手段があるんですか?
……お願いします、教えてくださいっ!
[何も知らないよりいいだろうと、懇願するように彼に頼んで、儚く消えていく煙に僅かに視線が逸れた。
先ほどの蝶も彼のものだろうかと、そんな疑問が胸に芽生える。]