[自分があれだけ持つのに苦戦したチーズを何ともなしに持ち上げたオットーを、ついぼうっと眺めたまま呆けてしまう。
彼女自身にもなんの感情がそうさせたのか分からない。
だが、頬が少し熱い気がした。]
私の仕事なのに…いつもごめんね。
[そろりと窺うように言う。
何となくそのままオットーから目が離せなくて、そのため今度はフリーデルに対するぎこちなさ>>58というか、二人の間の固い空気に気づくこととなった。
その疑問を口に出すほど少女は積極的な性格ではなくて、二人の間で難しい顔をしてしまう。]
[だが、暫しの考え事もオットーの口から木苺のシフォンという言葉を聞けばぱっと吹っ飛んでしまう。]
…ほんとに?あのケーキ大好きなの!
じゃあ、森に木苺を取りに?
[チーズを持ったのと逆の腕に下げられた籠の存在に気づく。
パメラとアルビン、ゲルトと会ったことを聞けば、森での小さな冒険>>66>>69に思いを馳せただろう。]