―少し前・パン屋―
シュトーレン、かな。
[巡礼の旅に出ている友人を思い起こした>>62後で、自身の記憶に確認を求めるように呟く。人の期待というものには半ば超人的に敏いという自信はある。おそらくきっと、彼はシュトーレンを望むだろう]
……ん。外れたら外れたでまた焼き直せば良いし、今のうちに用意しておこうか。
[材料は自家製のドライフルーツと軽く煎った木の実、あとはバターとアーモンドあたりか。ヤコブから届く野菜をアレンジして使ってみるのも面白いかもしれない。用意するといっても、この時期は無作為的にドライフルーツを切らさないようにしており、何を使うか考えるのみだった]
あとは……今日手に入るものがあれば加えていこうかな。
[考えを大方まとめると、特別に気合を入れるということもなく、普段通りのパン作りを始めるのだった。ヨアヒムから林檎を受け取れば、少し勿体なく思いつつもその一部をドライフルーツにして使っただろうか]