[ >>70
髪を整えて手を放すと、少女のようにくるんと回って
藍色のドレスの裾を揺らした。
最後にちょこんと椅子に収まったところまで含めて、
オルゴールの人形のような愛らしい動作だった。
思わず見惚れてしまい、シロウのプロポーズも聞こえず
じっと眼の前の女性をみつめた。
もしかしたら、これほどちゃんと彼女を見るのは
初めてだったのかもしれない。
この人は何年も前から知り合いじゃなかったっけ?
と、己の中にある記憶を辿ってしまったほどに。 ]
……似合ってるよ。
[ 思わず、素直な感想が口をついて出た。 ]