――…抱きしめても、いい?[彼に死を齎す刃の切っ先を、見せたくなかった。これ以上の痛みを与えたくはなかったけれど…もし許しがもらえるならば。わたしの瞳と同じ空色の石の嵌った短剣を――…兄を殺した剣を、ホルスターから再び抜いて床に置き。両腕で血塗れの彼の上半身を、少しだけそっと抱き上げよう。それが叶っても叶わなくても、左手の指先で彼の背中の骨をなぞって、苦しまずに一度で“あなた”の心臓に永遠の安息を齎せる位置を、探す。*]