― シュヴァルベ南西:鍾乳石の洞窟 ―
[洞窟についたころには、馬の背が汗でしっとりと濡れていた。
レトと並んで馬をつなぎ、首筋を叩いてねぎらう。]
ほんと、久しぶりだね。
そうそう、いつだかの夏に涼みに行こうっていって以来だよ。
納涼怪談肝試し大会とか言ってさ。
そうそう、カークもヴィンセントもたしか居たし、、
ミヒャエルとかノトカーとか、いっこ下の連中もいなかった?
[一学年上の先輩たちも誘ったけれど、
とある人の影響で、参加者は少なかったはずだ、
―――というのは余談。]
思い出すなぁ。
[なつかしみながらランタンに火を入れ、
レトの後ろから鍾乳洞を覗き込む。]