頑なままに、このような魅力を宿す── その清い蕾に、少しばかり爛熟の香をあわせてみようか。 デグランティエ公も”視て”おられるだろう。[壁に、天井に這い回る茨を示すと、ギィから託された艶やな血赤の薔薇を、ジークムントの唇に重ねて置く。] 声が抑えられないようならこれを噛むといい。