― 夜明け前 ―[出発の刻限より前に、一人で祠の前に赴いた。いるだろう、と思った相手を見つけて、近づいていく。] 守り人殿。[声を掛けてから、前に立つ。] 時折、俺だけでここを訪ねても構わないだろうか? ぬるい相手ばかりで、退屈した頃に。[ずいぶんと直截な、「手合せしに来ていいか?」の問いだった。]