― 南へ ―[慌しくヤコブとの会話を終えて、イングリッドと一路南へ駆ける>>4:353騎士団と魔軍の戦場は迂回する形を取って駆け抜けた。ほぼカレンから出払ったきりの出発であったから、親しい者らに別れを告げる暇もなかった。仕方ない。けれど言葉交わすより確かなものがある。今は互いに互いの場で、こうして在ることが何よりの絆だ。そう信じて、背後に戦場を置いて駆けた] ───…![それでも。一度だけ手綱を引いて背後を振り返った。背後の空を、灼熱の劫火が焦がしている>>4:335]