[隣で眠る、オズワルドにちらりと視線をやり、眉を寄せて。
自分はオズワルドが何者であるかは分からない。
……ただ、疑わしいからと選んだことだった。
しかしながら、……アリーセが犠牲になったということは……。
少なくとも、人狼は排除されていない。
そういうことで。
また、唇を噛んだ。
がりっと、血の味がにじんだが、構うことはなく。
そして拭っているときに、ふと気づいたのは、黒い痣のような模様>>49>>57。
(こんな目立つ模様……店の前で会ったときは無かったわよね?)
(それにこの模様……?)
損傷が激しく、あまり形がよく分からないが、どこか引っ掛かりを覚えて首を傾げた。
それでも綺麗になったアリーセの両手を胸の前で合せ、そして祈る。
アデルが亡くなった時よりも、胸を穿つのは酷い喪失感で。
でも、それでも、涙はみせない。
眠る彼女の額にそっと自分の額を押し当てて、目を閉じた。
そして……彼女の顔を焼き付けるようにして……少し引き攣ったかもしれない笑顔で、さようならを言っただろう。]