[ずるり、と。力尽き横倒しになった鹿の角から己を引き抜いて、長柄刀を杖に立つ。抜かれた胸甲から熱いものが流れていくが、遠目には鎧の黒に紛れて見えない、はず。 問題ない。 まだ動ける。包囲を狭める獣たちへ笑みを向け、得物を構えなおす。と、空に唐突に紫雷が走った。>>73]