― ハールト西 ―
[武力制圧こそが魔軍の本懐、というヴェルザンディの意見には同意の頷きを返し。]
まあ、脳は無いが力と数のあるゴブリンとオークを主力としているわけだからな。
当然こうもなろうさ。
だが、その方がギィ様の軍らしい。
[等と軽く笑って言い、ゴブリンへの交渉にヴェルザンディも同行すると言えば、多少の安堵を見せ。
竜殺しの準備の問については]
……一応はな。魔術を心得る兵たちが詠唱を分担し、無数の小石から巨大な矢を作り出し、標的に向けて飛ばすという攻撃方法を編み出してくれた。
以前お前に聞いた「攻城兵器」という発想がヒントになった。助かっている。
とはいえ、強大な力を持つ竜が相手となっては、気休めかもしれないがな……
我が愛馬も奇襲には有力な戦力となってくれようが、果たしてどこまで通用するか……未だに気が重い。
[等と軽く言って流す。しかしながら気が重いのもまた本当らしかった。
さて、ヴェルザンディにしては珍しい礼>>72には「礼には及ばない」と返し、互いの武運を祈る言葉を投げてから、こちらもまた自軍の編成へと移った*]