あらあら、部屋割に出遅れちゃったのですか
それは残念無念、ですね
私は潮風の部屋にしたんです。其方はどのお部屋に
[海が見えて丁度いいんですよ、なんて笑顔で告げる
逃走経路を確保する意味でのことには触れず]
へぇ、隠し通路ねぇ
洋館でしたらありそうですけど、そういうのを探すのはお好き?
[探偵よろしく暖炉に歩み寄る姿を眺める瞳は揶揄を含んではいるものの
宿る光は一挙一動見逃さぬとばかりに煌めく
あったら面白そうよね、と応対するも
細工を触る彼の視線は此方にある
厄介な。否。一筋縄ではいかぬかと
思案するのは脳裏で]