…うん、今年の寒さは、厳しくなるらしい、な。
去年より、獣が増えてもおかしくはない、か…
夜の出歩きと、森に近付くのは……そうだな、うん…
[伺うようにゆるく瞬かれた灰色に気づけば。
空から地上に戻した琥珀を、微かな仕草ながら、そっと逸らし]
…お前も、気を付けるんだぞ?
[一時期は自分が村を離れていたとはいえ、同じ村で生まれ
育った少し年下の青年に、子どもの頃のように、
頭を撫でようとしかけて。
小柄な自分では、昔の洋には届きにくいことに気づけば、
一瞬だけ、むぅ、と不服気な表情を浮かべるも]