[歩きながら空に手をかざす。今は真昼。数多の星々は蒼の果て。
日が落ち蒼を宵が染めゆかねば、星は姿を見せてはくれない。
ううん…違う。星はいつだって輝いている。変わることなく輝いている。
変わらないのに、ただ見えないだけ。
それとも…変わっているのだろうか? 人知れず、いつの間にかひっそりと。
山野が四季を巡り形を変えるように
人が歳月を重ね変わっていくように
傍らのアルビンとゲルトを眺める。
変わらない距離 変わっていく距離
……あの日見た背は、横顔は、今は──]
空…高いな……
[アルビンの家に立ち寄り、彼が支度をしている間ゲルトを茶化したり他愛もない会話で時を過ごせば、やがてオットーの店へと向かう。たどり着いた時、そこにカタリナやフリーデルの姿はあっただろうか?
いれば皆に夕飯のお誘いをして回ったことだろう。>>74]**