― 月の舞台 ―んん......[ 翼に触れられても、ぴくりとも動かずぐーぐーと眠っていた二彩の竜は「おきろ」という声>>68が届いた途端、小さく呻いたかと思うと、パチリと瞼を開いた。爬虫類めいた縦長の虹彩を持つ紅の瞳が天色の瞳を見上げ、次いで、唇がゆるりと弧を描く。 ]呼んだか?[ 声音はひどく軽い* ]