― 回想/八年前 ―
[目が覚めた時、一番に見えたのは師の顔だった。
視線を動かせば師の友人と少年の顔も見えただろう。
師からは開口一番無茶をするなと叱られた。
師の友人からも何言か言われただろうかもしれない、少年からは何か言われただろうか。
少なくとも、少年が取ってくれた帽子は無事に手元に戻されて]
レトくん。ぼうし、とってくれてありがとう。
また、いっしょに、あそんでくれる?
[感謝に顔を綻ばせお礼を言ってから、師の元に来てから初めて自分から次の約束を願った。
最も。
再会した時にはもう庭で遊ぶなんて年でもなくなっていて、叶わなかったけれど]