はは――いいか、中尉。
[歩を進めながら、肩越しに振り返って]
残念だが――"急行する必要はとっくにある"んだ。
[気付いてないはずはないだろうと、視線をやって]
――俺がどうして、君に付き合ってると思う。判ってるだろう。
……俺がひとりで急行するより、君が働いてくれそうだからだ、中尉。
だから、俺は君を連れていく。
はっ……酷い話だとは承知してるよ。
――君の家族には、俺も手紙を書こう。
[戦死した部下の家族に手紙を書くのは、上官の責務のひとつだ。
だから、つまり。それが意味するところは、幾つもあった]