― 墓前 ―
[色々と、予定超過しつつ迎えた出発の日。
若狼に倣い、自身も薔薇の花を供える]
ホントに、もう。
目の傷は色々と大変なんだから、無理はダメって言ったでしょーに。
……外に出たら、今まで通りってわけには行かないんだから、気を付けてね?
[小言めいた口調で言うものの。
以前よりも柔らかくなった笑みに返す表情は穏やかなもの]
……さて、それじゃ、そろそろ行こうか。
ぼくの方も、あんまり待たせられない相手がいるんでね。
[冗談めかして言うけれど。
外の得意先のいくつかは、やきもきしているだろうなぁ、という予想はきっちり立っていた。*]