――――――…っ!
[ぴくり、と顔をあげた。
帽子の下の空色は、長く続く廊下の遥か先を鋭く見る。
察したのは此方へ近づいてい来る人間の気配>>38。
息を殺してその後に続く羆>>39には、未だ気づかず]
(吸血しておきたい、けど――…)
[何分、この城における貴重な餌だ。
もしかしたらこんな機会はもうないかもしれない。
しかし今一つ現状を理解しているか分からない、
ローレルのことが気にかかる。
男の眼からみれば彼女も立派な吸血鬼なのだが、
その自覚があるのかすら分からない。
そして、何となくシルキーと重なって見えるので、
其処を追求することが躊躇われていたのだ]