― いつか砦にて ―
[ その便宜が図られたのは、やはり父の影響だったろうか?ともあれ、一度話したいと思っていた相手と監視つきとはいえ、言葉を交わすことが出来るというのは幸いと言えるだろう ]
俺は戦士としては未熟だけどな。
ああ、ローに伝言してくれたろう?一度礼が言いたかった。おかげで落とし前もつけられたしな。
[ 落とし前という言い方をしたのは、ロー・シェンが敵将と未だ通じていると思われないためだった。ある意味では真実なのだが…それが全てではない、ということは、互いだけが判っていればいいことだ ]
[ 話はそれだけか、という、問いに>>65、彼は少しだけ口を噤む。彼の知る事実を伝えるべきかどうか、一瞬の逡巡 ]
……彼女は忘れていない。
[ 結局、伝えたのは、意味が通じるかどうかも判らない一言だけだった* ]