うん? ……ああ、そうだが。
[角へと一瞥とともに掛けられた問い。
悪意あるものではないと思いつつもやや硬質な声で答える。
するとトーマスもこちらを慮ってか、畳み掛けるように言葉を重ねた]
ああ、そうだねぇ。あそこは旅慣れた行商人か、余程の変わり者しか来ないから。
[自力で来ようとしたという男に、無茶をするものだと苦笑して。食材のことを問われれば]
鬼カラシというのはどうだい?
とんでもなく辛くて行商人も売り物にならないと言っていたが、アンタなら使いこなせるかもしれない。
[故郷の刺激的な味を思い出しつつ。
桃を差し出されれば、柔らかさと甘さに顔を綻ばせた*]