……トオル。
私は子ども扱いされる年でもないのですが。
[寺脇に肩をポンと叩かれれば>>41、
思わず軽く咳払いをするだろう。
まるで出来の悪い生徒を褒めるような「よく言えました」に。
咄嗟にいつものような紳士敵な対応が取れない。
言ってからあまりにらしくない言い草に、思わず周りの様子を窺った。
それは自らの品位を落とすような言動ではなかったか。
自分の演じる「カナン」という男は、このように不満を示す輩ではない。
外れかけた仮面を、取り繕うように被りなおすと]
あなたから見れば、確かに私は若輩者でしょうけれどね。
[人好きのする偽りの表情を貼り付けるのは得意なのだ。
にこやかな笑みを浮かべると、謎に思案を巡らせるのだった]