[ 膝や尾羽が雑草に触れるほどの低空から、ディークは木立に突っ込んだ。体を横にして翼を上下に向け、木の間をすり抜ける。風切り羽の先を、何度も木の枝が擦っていった。 ]そ〜〜れ見たかぁ〜〜!俺様に惚れても遅いんだぜ? はっはぁー![ 見えなくなった追跡者に舌を出し、ディークは軽く翼を打ち振って、いい感じの枝に着地した。足を投げ出して座り、ぶるっと頭を振って汗を飛ばす。そして、腰ベルトにつけた水筒から水を飲む。 ]