[羨ましい。 その言葉がベリアンの口から出るのは、 意外なようでもあり、納得できるような気もする。 かつて、彼が頑なに閉ざしていた扉の、 錠のひとつに触れたような───]あのさ、 昔、言いそびれたんだけどさ。[棘のように、喉に引っかかっていた思いが、 ぽろりと、零れる。]