[いつかのように、吐息の触れるような距離での囁きの願い>>58。 血を流し続ける透明な心臓を、氷の刃で貫かれたような痛みと恐怖に、一瞬、呼吸が止まった。彼が既に目を閉じていたことだけが、唯一の幸いだと思った。その瞬間の“わたし”の瞳に浮かんだ、 “絶望”の色を、見られなくてすんだことだけが。] ―――……大丈夫、よ。 “約束”したでしょう? “あなたを守ります”、と。[それでも、それが”あなた”の最期の願いなら。もう、死によってしか、あなたを守れないのなら――…]