― 湯殿 ―
[滴る雫は色濃く香り高く、交わされる情もまた深く。
力のみで従えるのではなく、相手の心身に歓びを刻む術を学ぶ。
二人を結ぶもうひとつの存在──銀鱗の蛇は、思えば旧き時代より再生の象徴だった。
そのしなやかな尾が脾腹を伝い、双丘の後ろから会陰を巡って柘榴を割った剣へと巻きつく。
螺旋はそのまま塔を巡り一体となって、かぎろいに至らせる。]
──っ、
[抱きながら抱かれる感触。
だが、これまでそうであらんと努めた受け身の無心は破り捨てた。
もろともに、求める。]