[ペーターに触れると冷たさが悲しい。
腕の中で眠る弟に死を改めて見つめ直す気持ちが生まれたが、このわだかまりがどう育て行くかは分からない。
雪に消えた少女69の声に気付いて、視線をペーターから外して見つめ返す]
…ペーターがこうなったこととリーザの関連性を考えないわけじゃない。
でも、その結果だとしてもペーターが決めて覚悟したことなんだよ。……それを手伝うとも言ったし、弟のやったことを私は否定したくないんだ。
[まあ、気付いていたら思い切り邪魔していたけどねと淡く苦笑を浮かべる。
少女の存在はすぐ近くにいるのに、妙に現実感が無かった。ガラス越しに雪を見ているように、内と外に隔たれているような気がする。
亡くした衝撃を受け入れいられないせいか、現実がどこか夢のことのようだ。亡骸を手に室内へ]
― バルコニー→室内 ―