…………、あに うえ、
[それでも猶、兄に問いを向けた己を甘いと人は言うだろうか。無駄なことをと詰るだろうか。
兄の裏切りは明白で、それでもまだ、……まだ悔いる様子を見せてくれたなら。己の問いに答えてくれたなら。
助けられるのではないかと、そんな淡い希望に縋ってしまった自分を。]
…………、
[諭すかの如き低い応え。>>65
兄は何を思って、そのようなことを言うのだろう。……自分は兄のことなど、何も知らなかったのだ。もしかしたら、何一つとして知らなかったのかも知れない。
知っている。と思いこんでいたのは傲慢だったか増長か。
兄を慕い、兄を追いかけていたはずだった。
いつからそれは、幻想でしかなくなってしまっていたのか。]