[シモンを止めることのできる言葉をリゼットは持っていない>>73
向けられた疑いは、パメラ自身が晴らさなければならない。
死を恐れ、生き足掻こうとする想いと、
彼女に騙され、殺されることになっても許容できる心とが、
リゼットの中には矛盾することなく収まっている。
けれど――それは孤児の身を拾われて、
二年の間生活を共にした少女だけのもの。
命の危機に晒された他人を説得できはしない]
……も、もし、パメラさんが人狼だったら、
わたし、二年も、ぶ、……無事でいられるわけ、ないです。
だから――
[それならば、ニコラスとヨアヒム。
どちらかが人狼だとして、これまで誰も襲われなかったのは何故?
自分すら騙せない言葉でシモンを――大人たちを動かすことなど出来るはずなどない。
縋るようにパメラに双眸を向け、立ち尽くす]