[上半身裸のまま服を着るつもりなどさらさらなく、廊下を歩いていると、どこかで見たような緑頭がぼんやりと突っ立っているのが見えた。]
──あーあ、可哀想にな。明日見舞いに行くとは。
[擦れ違った2人の自警団員達の会話から聞こえた言葉に2人を呼び止める。]
──あー、あんたドラコニス先輩んとこの。
[俺に応えたのは女自警団員で、片方は男自警団員だ。この2人デキてるんじゃないのか、と余計なことを考えつつ]
そんなことより、今の話だ!
──あぁ、見舞いの話か?そこのシュテルンってメイド見習いとハーランが行くらしい。
[男自警団員の言葉に変な確信を得て、あぁ…と意味を持たない変な声が漏れる。]
──ま、お前もいつか行かなきゃならんだろうから、覚悟はしとくんだな。
[そう男自警団員が言うと、2人並んで歩いて行く。さり気なく恋人繋ぎをして歩く2人に心の中で、爆ぜろ!なんて思いながら、シュテルンの後ろ姿を見つめている。
声を掛けるか否かを決めあぐねているようだ。]