―― 監査局 ――
[さて、相談と密談を終えてからだろうか。
僕は監査局に戻ると各人員に指示を飛ばしていた。]
まず、参謀本部と共に文書調査を行うチーム。
君たちは彼らと協力して調査を――妨害せよ。
無駄な場所を探させ、中身のない議論をして、時間を浪費させ。
表面上は手伝うフリをしつつ、裏で出来得る限り撹乱するんだ。
[逆説的に、文書が偽造だという証拠が発見されなければ、
それはつまり遺言が本物だと証明されたに等しい。
悪魔の証明を逆手に取った理論。
つまり実際の所、我々は真面目に仕事をする必要が無いのだ。
ただ軍部らが万が一にも証拠を掴まぬように、
証拠のでっち上げでもされないように見張っていればいい。]