─ 現在、擬装商船 カストル、艦橋 ─ …[ふと浮かんできた追想に混じる物思いを、息に変えて逃がし、今の状況に思考を引き戻す。 はたして、あの男に民間の船だ と言って納得して貰えるものか。 停止させた船に近づく甲板を見て、ストンプに向かうための思考を走らせていれば、──甲板の上には、もうひとつ、人影が増えた。]