おう。
中々良いものだな、オンセンってのも。
[掲げられたグラスへ>>68こちらのそれを合わせかちりと音鳴らし
泡立つ酒を喉に流し込む。]
ああ、生憎永遠の独り身でな。
[密やかな観察の視線に気付くのは男の永い生での経験上容易く、そして、表情一つ変えない。
金の絡まない場でヒトに愛想を振り撒く気にならないのは性格上致し方ないことだ。
何もしちゃいないのに怯む理由などあるものか。]
なんだ、茶かよ。
あっちが開いたら飲むってワケか?
[無遠慮に相手のグラスに顔を近付けた。互いの手の中の液体、似通っていてもどこか違う。
別にそこに文句をつける理由はないのだけれど。
一瞥したのは未だ開かない宴会場の扉。]