[しばらくして引き出されてきたのは、
無数の鎖で繋がれた首無しの馬。
身体は半ば透けており、首の断面も煙が渦を巻くようにぼやけている。
鎖には魔力が込められており、この幽鬼のような馬をしっかりと繋ぎとめていた。]
先日、儀式の間で召喚したデュラハンの馬だ。
当人とも話したのだが、恭順は断られたのでな。
さっさと
馬の方は、おまえなら使えるかと思ってな。
こいつなら地面も空も変わらず走る。
空飛ぶ相手を追うには便利だろう。
乗りこなせるなら使うといい。
[暴れる馬は、オーク6体がかりで再び外へ引きずられていく。
途中、駆け上がろうとした馬に1体が蹴られ頭を砕かれていたが、その騒ぎもやがて遠くなった。]