「…ステファン!」
[悲鳴のような呼び声>>0:797は、彼の父から上がったものだ。
振り返れば金の髪の青年が、ゆっくりと崩れ落ちるのが見える。
それを支える、どこか呆然とした様子の襲撃者の顔が声に上がった。
伯爵だけは逃がさなくてはならない。
咄嗟に向こうへと伯爵の背を押し、
襲撃者を見返す──眼前に、緑の光が広がった]
「く、う……っ!」
[威力がステファンに比べ低かったのは、瞳の色違える恩恵だろう。
けれど咄嗟に視界を失い、顔を押さえてよろめいた。
このままではステファンを救うどころか、自分まで、
────響く、笛の音>>0:798]