[辺境の地より望む夕日は、いささか色あせている。と思うのは、都市での暮らしが長いからだろうか。白い漆喰に映える夕日は、美しかった。こと、モアネットの城壁を染める紅は。]……そうそう時間はないな。あちらが片付く前に、私も中央へ戻りたいものだ。[あちら、とは自国のことではない。かの美しい城壁の中にいるだろう、友の面影が思い浮かぶ。]