[>>70欠け耳兎に掛けられる言葉を聞いて、口に詰め込んだ料理を咀嚼し飲み下す迄のしばしの沈黙。
質問の意図が良く判らなくて首を傾げる。
このパーティの参加者でもないのに此処に居る筈はないし、……――彼氏?
恋愛だけを目当てにパーティに参加する者もいるだろう。
人それぞれだと思う。けれど、その標的に自身は相応しくないだろう。
そんな相手が見つかれば素敵だろうけれど、それだけが目当てでは無い故に、あまりに露骨な物言いの彼の、どこか値踏みする様な眼差しに対しさっぱりそんな気は起きなかったから]
…うん、僕実はローゼンさんの愛人なんだ。
ないしょだよ?
[”そう”受け取っただけで彼の真意など知りはしないけれど、
もしそうならば此方からも避けてやるのが優しさだろう。
そう考えての冗談を、冗談とも本気とも受け取れそうな曖昧な声音でひそひそと。
そんな事実は何処にもないけれど、ローゼンさんなら笑って許してくれるだろう。そんな甘えで名前を借りた]