[後は少しでも失った血と力を補う為の食事を、と思ったのだが。
そうだ、と気付いたそれにギィを呼び止め]
負傷者の中には、動けはするが戦いには戻れない者が少なからず居るだろう。
そうした者を今の内に王都に送り返しておきたい。
で、だ。
一足早く王都に戻る彼らに、これを託してほしいんだ。
頼まれてくれるか。
[そう言って渡したのは、先ほど書き終えたセドリック・アルニム宛の手紙。
少しでも早く、彼の下に弟の言葉を届けておきたかった。
そうして心置きなく戦いの場に赴く下地を整えて、ゼファーの軍勢を迎えることとなる*]