[だけど、浮かび上がった疑問はなかなか消えてくれない。
その疑問は、忘れていたことを思い出したからこそ、浮かぶ。
―――どうして自分が、ここで、皆と笑い合えていられるのか。
ここにいたいと願う身にとっては、妨げにしかならないものではあるけれど]
……そうだ、私は。
[ふと、別のことを思い出す。
あの騒動より2年前、出自にまつわる事実とともに聞かされた、
自分が受け継ぐべき特別な名前。
人狼により命を絶たれるなら、そうなる前にその名で呼ばれてみたかった――と。
ささやかな後悔は全てが終わってからずっと、ずっと後に浮かび、残ったまま]