[ それは、恐ろしく素早い動きだった。龍牙が、飛来する、その気配に、四方八方から、伸び上がった暗黒の腕が、一気に集中してその槍を絡め取る。同時に、低く怒りに満ちた『虚無』の唸りが、一際大きく空気を震わせた ]トーマス!シルキー!クラリッサ![ 鞭のように細長く伸びた暗黒の腕が、男の足場となっている石錐を砕け散らせる ]中心が、弱点だ![ 武器を犠牲に得た確信を口に乗せながら、無手のまま、男は蠢く暗黒の只中に落下していく* ]