―広間―
[さて、自室の黒い話は一体どうなったか。
どちらにしても、シルキーが厨房へ向かうならば、自分もと言ったがどうやら追い返されてしまった様で、仕方が無しに広間へ行ったのだった。]
やれやれ、教えたかったのに、な……。
[手取り足取り懇切丁寧に教えたかったのに、それをさせて貰えない寂しさを拭えぬまま、煙草を取り出し、紫煙をぷかぷかと。
すると、また通信機から聞こえた声に、ポツリと呟いて。]
――俺が若い頃にソックリじゃねぇか。
[自分もまだ10代だった頃は、父親が生存していた頃は、よくそんな事言ってったっけ、と昔の思い出に浸っていれば、コーヒーの良い匂いが近づいてきた。]